歳 時 記



睦月 - JANUARY

誕生石=ガーネット(友愛・忠実) 誕生花=福寿草(幸せを招く)    

春の七草 せり
なずな(ペンペン草)
ごぎょう(母子草)
はこべら(はこべ)
ほとけのざ(たびらこ)
すずな(かぶ)
すずしろ(だいこん)
七草の行事は古く平安の頃からあり、年の始めの子の日に野原へ出て若菜を摘む風習からきている。

如月 - FEBRUARY

誕生石=アメジスト(誠実) 誕生花=梅(忠実・独立)
節分 節分は本来、春夏秋冬の四季の分かれ目のことだが、現在ではおもに2月の立春前日のことを指す。
節分といえば豆まき。これはもともと旧暦で立春が正月、節分は大晦日にあたり、新年を迎える厄払いの行事として始まったもの。
「鬼は外、福は内」のかけ声で豆をまいた後、年の数だけ(地方によっては年の数より一つ多く)食べるのも、昔は誕生日ではなく、
元旦に年をとったことに由来する。また、節分の夜には、イワシの頭を刺した柊の枝を家の入り口にかざしておく習慣もある。
これはイワシの悪臭に鬼が逃げ、近寄ってきてもヒイラギのトゲが痛くて中に入ってこられないと考えられていたからである。


弥生 - MARCH

誕生石=ブラッド・ストーン(勇気・知性) 誕生花=桜(精神美)
雛祭り 3月3日は、上巳の節句とも言い五節句の一つ。
古くは紙や土でつくった人形(ひとがた)で身体を撫で、これを川に流してケガレを祓ったものが、やがて飾り雛となっていった。
雛祭りにつきものの桃の花は、魔除けや邪気を祓う木と考えられている。
現代でも流し雛の習慣は各地に残っているが、一般的には女の子の健やかな成長を願う祭りとして祝われている。


卯月 - APRIL
誕生石=ダイヤモンド(清浄無垢) 誕生花=藤(恋に酔う)
花見 四季折々の花を見にでかけることはあっても、それらは花見とはいわず、花見は春の桜に限って使われる言葉である。
山桜、八重桜、ソメイヨシノと桜の品種は多種多様だが、時代や品種を超えて、日本人の心情に深く根ざした花。
古くは桜の花の咲き具合でその年の農耕を占ったり、花見に行くことで祓いをする習慣があり、飲めや歌えやの宴も行われていた。


皐月- MAY
誕生石=エメラルド(幸福・愛情) 誕生花=あやめ(良い便り)
端午の節句 端午とは、上巳(3月3日)や七夕(7月7日)などとともに五節句の一つ。
古来、端午は女性の節句であったのだ。やがて武家社会の台頭とともに、菖蒲と尚武が同音であることなどから上巳と対照的に
男子の節句となった。戦国時代には、男子の無事と立身出世を願って、家紋や、武者、疫病を防ぐ中国の鬼神・鍾馗(しょうき)や
出世魚の鯉を描いた幟(のぼり)が立てられるようになり、江戸期になると庶民にもそれが広がった。現代でも鯉のぼりや
武者飾りとして、その風習は受け継がれている。


水無月 - JUNE
誕生石=真珠(健康・長寿) 誕生花=牡丹(恥じらい、気品)
衣替え(更衣) 平安期、朝廷では中国にならって旧暦4月1日と10月1日に、冬装束と夏装束を着替えると定めていた。
江戸幕府もこれに習い、江戸時代には幕府が、4月1日から袷(あわせ)小袖、5月5日からは帷子(かたびら)、
9月1日から袷小袖、9月9日から綿入小袖などと定めて衣替えを制度化した。4月1日には綿入れを脱ぐことから、
この習慣から、「四月一日」と書いて「わたぬき」と読ませる姓がある。

文月 - JULY
誕生石=ルビー(情熱、威厳) 誕生花=蓮(雄弁)
7月19日から8月6日までは、土用(どよう)にあたる。
土用は本来、年に4回。立春・立夏・立秋・立冬の前の約18日間をそれぞれ土用という。
現在では夏の土用だけを指すようになっている。土用とは「土旺用事(土がさかんになる)」が略されたもので、
土用の間は土をいじったり、殺生を忌む習慣があった。土用にウナギを食べるのが盛んになったのは江戸時代から。
平賀源内が知り合いのウナギ屋のために、土用丑の日のウナギを宣伝したら大当たり。以来定着したという説がある。
元祖コピーライター??

葉月 - AUGUST
誕生石=紅縞めのう(夫婦愛) 誕生花=百合(純潔、高貴、自尊心)
薮入り(やぶいり) 農耕民族の習慣と仏教が混じり合った日本のお盆には、先祖の霊を慰め、
秋の豊穣をお願いする気持ちが込められている。
古くは一年に二回、8月16日と1月16日だけは、「薮入り」といって里帰りが許される習慣があり、
嫁いだり働きに出て家を離れた人々も故郷に戻ってきた。懐かしい家で日頃の垢を流し、幼なじみと
盆踊りに興じてひとときの骨休め。しかし、最近は海外旅行する人も多く、薮入りという言葉も死語になりつつあるようだ。


長月 - SEPTEMBER
誕生石=サファイア(誠実) 誕生花=芙蓉(繊細な美)
お月見 旧暦では8月は秋の真ん中。その15日の満月を「中秋の名月」といい、新暦では9月の下旬にあたる。
お月見の習慣は中国に始まり、平安時代に朝廷が公式の行事として採り入れ、しだいに民間に広がっていった。
農家ではちょうど秋の収穫が始まるころ。初穂の祭として月への感謝をこめ、とれたばかりの芋などを供えたことから、
「芋名月」とも呼ばれるようになった。また中秋の名月の月見とともに、旧暦9月13日の月を鑑賞する「十三夜」の月見もあり、
こちらは「豆名月」とか「栗名月」と呼ばれる。


神無月 - OCTOBER

誕生石=オパール(克服・幸福) 誕生花=菊(清浄・高貴)
紅葉狩り  春は爛漫の桜に酔いしれ、秋は紅葉の華やかさに心奪われる。時は移り人は変わっても「花見」と「紅葉狩り」は、
すたれることがないだろう。深紅から朱赤、橙色、黄色‥‥、植物によっても、一枚の葉の中にすらも、さまざまな色が見られる
紅葉を追って、野山をあちらへこちらへと分け入る。「狩り」という言葉は、そんな情景からきた言葉だといわれる。
桜は散るからこそ、紅葉は束の間の華やぎだからこそ美しいというのが、日本人の美意識。
しかしそういいながら、樹下で酒宴をはって大騒ぎするのも、また日本人なのである。


霜月 - NOVEMBER
誕生石=トパーズ(友愛) 誕生花=椿(慎み深さ)
七五三 七五三は子どもの無事な成長を祝い、男児5歳、女児は3歳と7歳の子に晴れ着を着せ、神社や氏神に詣でる。
中世には男女とも赤ん坊のうちは頭を剃り、3歳になって初めて髪を伸ばす「髪置きの祝い」をする習慣があった。
また江戸時代には、5歳になった男の子は、その年の11月15日に初めて袴を着ける「袴着の祝い」を行い、
7歳になった女の子は、それまでの紐付きの着物にかわって帯を締める「帯解きの祝い」を行った。
これらの習慣が一つになったのが七五三である。


師走 - DECEMBER
誕生石=トルコ石(成功) 誕生花=水仙(高潔)
年越し 年越しは、新年を迎えるために、一年のけがれを払い、祝いの準備をすることをいう。年々簡略化され、
日本の正月風景も変わってきているが、大正期までは、12月13日は「事始め」といって、大掃除をして準備を始める日であった。
家中を清浄にし、注連縄(しめなわ)を飾って新たなけがれを防ぐ。そして年神様が降りてくる場所である門松を立て、25日ころには、
餅つきやお節料理の用意を始めた。
餅やお節料理は正月の保存食でもあるが、本来は正月三が日に、神様と食事をともにするための大切な料理であった。
大晦日には年越しソバを食べ、除夜の鐘を聞き終わると、初詣に出かけて一年の幸を願ったのである。